医学総合図書館(旧HPはこちら
 溝口病院図書室(HPはこちら
 ちば総合医療センター図書室
 
 

医学総合図書館カレンダー

前年2018次年
前月01次月
1
予定なし
2
予定なし
3
予定なし
4
予定なし
5
予定なし
6
予定なし
7
予定なし
8
予定なし
9
予定なし
10
予定なし
11
予定なし
12
予定なし
13
予定なし
14
予定なし
15
予定なし
16
予定なし
17
予定なし
18
予定なし
19
予定なし
20
予定なし
21
予定なし
22
予定なし
23
予定なし
24
予定なし
25
予定なし
26
予定なし
27
予定なし
28
予定なし
29
予定なし
30
予定なし
31
予定なし
15627
 
学習・研究支援ツール(学内専用)
   
  
  *ツールの概要は、旧医学総合図書館ホームページをご覧ください。
 

新着案内

貸出ランキング

Paper of the Month



2017. Oct-3

薬学部薬物送達学/昭和薬科大学薬剤学 共同研究

「がん血管内皮細胞を抗原として捉えた新しい免疫療法は、特定のがん種に依ることなく、がん血管を特異的に傷害することができる」 
Cancer Vaccine Therapy Using Tumor Endothelial Cells as Antigens
Suppresses Solid Tumor Growth and Metastasis.

Nomura T, Hirata K, Shimaoka T, Yamakawa M, Koizumi N, Suzuki R, Maruyama K,Utoguchi N.
Biol Pharm Bull.
2017 Oct;40(10):1661-1668.

 この度は、我々の研究成果に関して”Paper of the Month”として選定いただき、誠にありがとうございます。がん免疫療法は、宿主免疫機能を利用したがん治療法であり、がん組織特有の抗原をワクチンに用いることで、がん組織特異的な抗腫瘍免疫を誘導可能です。我々は、がん血管を構築するがん血管内皮細胞(TEC)を抗原として捉えた免疫療法の開発を行ってきました。本研究は、筆者と宇都口直樹教授(現 昭和薬科大学薬剤学研究室)が帝京大学薬学部在職中から、同学部薬物送達学研究室の丸山一雄先生のグループとの共同研究として進めてきたものであり、今回論文として公表しましたのでご紹介いたします。がんの増殖や転移に関与する血管を破綻することで、効果的にがん組織を退縮させることが可能です。我々はまず、がん組織から分画したTECをワクチン抗原として導入した樹状細胞を免疫したところ、効率よくがん増殖や転移を抑制できることを明らかにしました。また、その作用として、組織中の血管新生が抑制されがん血管の減少が確認されました。さらにがん血管は、宿主の血管内皮細胞由来の構造であるため、がん種に依らず共通のがん抗原が存在すると考えられます。その点我々は、異なるがん種で構築されたTECを抗原として免疫した場合にも、同様の抗腫瘍効果が発揮されることを証明しました。一方でがん血管を標的としたワクチンは、生理的な反応として誘導される創傷治癒時の血管形成を阻害しないことが明らかとなりました。以上のように我々は、TECを抗原として利用した免疫療法が、特定のがん種に依ることなく、がん血管を特異的に傷害することができるがん治療戦略になる可能性を示しました。現在は、本療法の詳細な免疫誘導メカニズムの解析を行っております。また当研究室では、免疫療法や抗体療法などのがん治療法の開発を推進しておりますので、ぜひ多くの先生方と共同研究を行いたいと考えております。
文責:野村 鉄也 昭和薬科大薬剤学研究室(nomuraATac.shoyaku.ac.jp)
丸山 一雄 薬物送達学研究室
(maruyamaATpharm.teikyo-u.ac.jp)
(2017.12.25)
 

Paper of the Month



2017. Nov-1

医学部 内科 感染症グループ

「ドルテグラビルで治療中のHIV患者における腎機能マーカーとしてのシスタチンCの有用性」
Short Communication: The Clinical Value of Cystatin C as a Marker of Renal Function in HIV Patients Receiving Dolutegravir.
Yoshino Y, Koga I, Seo K, Kitazawa T, Ota Y.
AIDS Res Hum Retroviruses.
2017 Nov;33(11):1080-1082.

 作用機序の異なる多剤併用の治療により、HIV感染症患者の生命予後は、健常者とほぼ変わらないレベルまで改善しました。近年インテグラーゼ阻害薬がHIV感染症の治療の中心に位置づけられ、その中でドルテグラビルは現在最も使用されている薬剤です。この薬剤は、尿細管のOCT2と呼ばれるトランスポーターの機能を阻害し、クレアチニン(Cre)の分泌を抑え、血中クレアチニンの若干の上昇をもたらします。血清Cre値をもとに糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate: eGFR)を推定し、腎機能を評価することが一般的ですが、ドルテグラビル使用中の患者では、糸球体濾過量は実際には低下していないものの、血清Cre値の上昇により、腎機能低下が起こっているように誤って判断される可能性があります。そこで、ドルテグラビル投与開始前後で、早期の腎機能評価に有用な血清シスタチンC値を測定し、これを用いて算出したeGFRと、従来の血清Creを基に算出したeGFRと比較検討しました。その結果、ドルテグラビル開始後、血清Creを基に算出したeGFRは多くの症例で低下しましたが、血清シスタチンC値を用いて算出したeGFRはほぼ全例で不変でした。従って、ほとんどの症例で実際には腎機能低下をきたさず、ドルテグラビルで治療中の患者では血清シスタチンC値を用いて算出したeGFRの方が腎機能評価に適していることを証明しました。
当グループは皆リサーチマインドにあふれたメンバーばかりです。今後も本研究のような、「明日の臨床に役立つ研究」を常に意識し、チーム一丸となって研究に励んで行きたいと思っています。
文責:吉野 友祐
(2018.01.09)